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そもそもの話2

2019/11/03

前回のつづき)

さてこのとき、株主の立場からすると、このA社とは別の会社で、与えた資本に対して10%の利益を生んでくれるB社があったとします。そうすると、株主としてはA社の生み出した利益20億のうち、15億円はA社において再投資してもらいたいが、5億円分はA社ではなくB社に投資したいと考えます。このようにすることで、15億が20%を生み、5億は10%を生むわけです。A社が20億すべてを再投資するよりも資本が有効活用されています。

投資家はこのように考え、A社が効果的に投資しきれない利益は株主に戻し、その投資については株主に任せるよう求めます。A社が配当や自社株買いによって最後の5億円を投資家に返したなら、投資家はその5億円を、数ある選択肢の中で一番高い利益を生んでくれそうな会社に渡すことになります。

資本を活用して実行された事業が高い利益を生んだということは、生み出された商品やサービスが世の中の人々に強く求められ、コストに比べて高い価格で売れたということですから、世の中には去年よりも良い商品やサービスが少し多めに出回ったに違いありません。人々の暮らしは少しよくなった。儲けた会社は引き続き利益の一定割合を再投資できるはずですから、社員数も増えるでしょうし、給料やボーナスもいずれ上がっていくでしょう。

世の中によりよい商品やサービスが出回り、人々の収入も増えていく。これが資本市場のめざす基本的な役割です。

もちろん配当などは会社の経営陣が決めることなので、投資家の意向に沿った行動をとらない経営者もいるでしょう。将来にわたってもそこまでは投資しきれないだろうという水準の資本を抱え込んだり、利益をほとんど生まないような案件に無駄遣いしてしまったり、はたまたリスクの高い投資に手をだしたりと様々です。このようなことへの対応として、取締役は必ず株主総会で選任されることになっています。つまり、株主は最終的には経営者をクビにする権利をもっており、それによりマクロレベルでの資本の有効活用が図られるような仕組みになっているのです。(つづく